大阪市福島区耳鼻いんこう科・アレルギー科【医療法人永成会 田中耳鼻咽喉科】

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アレルギー性鼻炎と花粉症
人間のからだに備わっている、本来細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための“免疫“という働きが異常反応を起こしてしまう状態をアレルギーと呼びます。人間のからだは自分の体にない抗原(こうげん。ハウスダストやスギ花粉など)がはいってくるとそれを排除するために抗体(こうたい)を作り出して身を守ろうとします。このアレルギー反応が鼻でおこればアレルギー性鼻炎に、眼の結膜でおこればアレルギー性結膜炎になります。
アレルギー性鼻炎のなかで、ハウスダストダニが抗原でおこるものは一年中症状があるため通年性アレルギー性鼻炎と言い、スギヒノキ花粉など特定の季節だけ症状がでるものが季節性アレルギー性鼻炎と言います。スギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎がスギ花粉症です。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりが3大症状ですが、くしゃみ・鼻水がしんどい方、鼻づまりがつらい方など個人差があります。

鼻の中を診察すると粘膜が青白く腫れてじゅくじゅくしていたり、赤黒く腫れて乾燥していたりします。原因になる抗原の種類や重症度を知るためには血液検査を行います。
近年アレルギー性鼻炎は非常に増加しています。ある統計では日本人の約30%が罹患しているとの報告もあります。ハウスダストやスギのほかイネ科キク科の雑草花粉やペット、昆虫が原因のアレルギーも最近は増えてきました。
自然治癒はほとんど期待できないので、若い方ほど長年病気と付き合うことになってしまいます。
ぬいぐるみをおかない 空気清浄機を設置する 丁寧な掃除
などですが、完全に抗原を除去することは実際はなかなか困難ですから治療が必要になります。
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アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療
アレルギー性鼻炎(花粉症)の薬物療法
最も一般的な治療法です。効き目や安全性も比較的高く、子供から大人まで治療することができます。特性によって抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、漢方薬、ステロイド剤などいろいろな種類のものを内服、点鼻、点眼のかたちで使用します。症状や合併症の有無、薬剤の特性によって使い分けます。代表的な薬剤である抗ヒスタミン薬は緑内障や前立腺肥大の方には使えないものもありますので詳しく病歴を伺います。また薬によっては眠気の出るものもありますので車の運転をされる方は申し出てください。

特に花粉症の方は症状が出てから来院されることも多いのですが、初期治療といい、花粉飛散が始まる前の症状のまだ起こっていない時期に内服開始をすることをお勧めします。これは薬の力を100%引き出すためにはある程度の日数がかかるためです。

薬物療法の特徴
長所:安全性、効き目が安定している。手軽でかつ症状によって使い分けが可能。
短所:効果は使用しているあいだに限られるので必然的に長期投与になる。
アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)の特異的減感作療法(免疫療法)
現時点で唯一アレルギー性鼻炎(ハウスダストとダニ)とスギ花粉症を根治させる可能性のある治療法です。アレルギーの原因物質(抗原)を皮下注射しして、抗原に対する過敏性を減らす(アレルギー反応を出にくくする)ことを目的とした治療法です。アレルギー反応が強くなることを「感作が深まる」と表現することがありますが、減感作療法はその感作を減らすという意味からこの名前が付きました。
 
実際の方法は、ハウスダストやダニ、スギ花粉のエキスを薄めて二の腕の皮下に注射します。これを最初は週1回程度の間隔で行い、徐々に濃度を濃くしていきます。半年程度で維持量(これ以上エキスの濃度をあげない)に達したら通院間隔を徐々に伸ばしていき、最終的には2カ月に1回の注射で継続します。スギ花粉症の方は花粉飛散期には再度通院間隔を短くします。この治療は最低2年は継続する必要があります。有効率は約70%と言われています。

根治を目指せるという非常に魅力的な治療法ではあるのですが、アレルギーの原因になっている抗原を注射するわけですから、数千分の1というまれな確率ですが強い免疫反応が出ることがあります。注射後30分以内に喘息発作や、全身のじんましん、まれに全身性アナフィラキシーショックが起こることがあります。たいていは一時的なもので、起こった際に適切に対処すれば問題はありません。当院では注射後30分間は院内にとどまっていただき異常のないことを確認してから帰宅していただくようにしています。また発熱や体調不良の時には強い反応がでやすくなるので注射の前に確認します。
注射の前にご自宅で抗ヒスタミン薬(当院で処方します)をあらかじめ内服しておくことで上述の強い免疫反応の確率をかなり減らすことができます。


減感作療法の特徴
長所 1.アレルギー性鼻炎を根治できる可能性のある唯一の治療法。
2.減感作継続中でも内服薬の種類や量を減らせる可能性がある。
3.保険が適応され費用が高くない。
短所 1.まれながら全身的な高度アレルギー反応がでることがある。
2.ハウスダスト、ダニ、スギ以外の抗原には無効。
3.注射なので多少は痛い。未就学児には向かない。
4.70%の有効率なので万人に効くわけではない。
5.最初の1〜2年は頻繁に通院する必要がある。
6.50歳以上の方は適応外。


中等症以上のアレルギー性鼻炎で通院可能な方が減感作療法の適応と言えます。
アレルギー性鼻炎は自然治癒が期待できない病気ですから、若い方ほど長く病気と付き合うことになってしまいます。ためしにやってみよう、と気軽に始められる治療ではありませんが、条件が合えば若い患者さんには特にメリットは大きいと思います。
アレルギー性鼻炎(花粉症)のレーザー手術
薬物療法で症状が改善しない方、薬を飲み続けることに抵抗のある方、花粉症がひどい方。そういう方にはレーザー手術という治療法があります。
鼻の中の粘膜がアレルギー反応で腫れることで、くしゃみ・鼻水・はなづまりといった症状がでるのですが、その部分をレーザーで焼灼することで症状が出ないようにする治療法です。特に薬物療法では抑えにくい鼻づまりに効果があります。

当院で行っている炭酸ガスレーザー手術治療について

外来日帰り手術で行えます。まず麻酔薬をひたしたガーゼで鼻の粘膜を麻酔します。注射の麻酔はありませんのでご安心ください。充分に麻酔が効いたら鼻の中に手術器具を入れて鼻の中の特に下鼻甲介(かびこうかい)という部分をレーザーで10分弱焼灼します。
ほとんど痛みはなく、出血もほとんどありませんので、小学校高学年から受けることができます。

浅い範囲のみ焼灼するので安全性が高い反面、一度の手術では十分な効果が得られないこともあり、その場合は数回にわたって手術を行います。
花粉症でレーザーを行う場合には花粉飛散の前(秋〜1月中旬頃)に行います。花粉飛散が始まってしまうと手術によってかえって鼻を刺激してしまうためです。

レーザー手術自体に大きな副作用(合併症)はなく、有効率は70〜80%です。しかし減感作療法のように根治させる治療法ではないので、アレルギーの体質の改善までは残念ながら期待できず症状の再発はありえます。効果の持続は平均で約2年程度と考えられます。
日帰り手術で数千円の費用負担で行えるのもレーザー手術のメリットのひとつですが、鼻中隔湾曲症や蓄膿症の合併などでレーザー手術だけでは効果が不十分な方もおられます。そういった方へは提携病院へご紹介いたしますのでお気軽にご相談ください。


炭酸ガスレーザー手術の特徴
長所 1.薬物療法が無効な人にも適応がある。
2.鼻づまりに効きやすい。
3.安全性が高く、繰り返しおこなうことができる。
4.出血、痛みがほとんどない
5.有効率は70〜80%
6.保険が適応される。
短所 1.永続的な効果は期待できない。
2.無効例もある。
3.一度の手術では効果が不十分なこともある。
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副鼻腔炎
鼻の周りには鼻と細い通路でつながった空洞があり、そこを副鼻腔と言います。副鼻腔炎はそこに膿がたまった状態です。

経過によって急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎があります。急性副鼻腔炎は急激に発症して痛みを伴うことも多くあります。

慢性副鼻腔炎は副鼻腔の炎症が慢性化したもので、飲酒や疲労、風邪などをきっかけに急に悪化することもあります。
急性副鼻腔炎の場合
主な症状

膿のような黄色いねばっこい鼻水が出る
後鼻漏(鼻の穴から外に鼻水が出ずにのどの方向に流れ込むこと)がある
頭痛や頬、眉毛、うわあごの歯が痛む。
発熱することもある
鼻の中が臭いニオイがする
まれだが目や脳に進展してしまうこともある

治療方法

急性副鼻腔炎は、たとえれば炭火がほのおをあげて一気に燃え上がるイメージですから、治療にはまず消火のために強力な抗生物質を短期間内服・点滴します。粘液の状態を改善する薬や抗アレルギー薬も併用する場合もあります。また鼻水を洗浄・吸引する局所処置ネブライザー療法という薬液を直接鼻に噴霧して吸入する治療は薬物療法と並び治療のもう一つの柱となります。
慢性副鼻腔炎(俗に言う“蓄膿症”のこと)の場合
主な症状

頭が重く、集中力がなくなる
鼻がつまる
鼻茸(はなたけ)という炎症性ポリープができてさらに鼻がつまる
後鼻漏のために慢性咳やのどのいがいがの原因になる
痰だとばかり思っていたものが実は鼻水(後鼻漏)だった
ニオイがわかりにくい(嗅覚障害)
鼻の中が臭いニオイがする

治療方法

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔の炎症が慢性化してしまった状態ですから、こちらは炭がくすぶっているイメージにたとえられます。ほのおはなく一見落ち着いていますがきっかけがあれば悪化します。治療にはマクロライド系抗生物質の少量長期投与法(マクロライド療法)が有用です。マクロライド系抗生物質には抗生物質本来の抗菌作用のほかに免疫調節作用や抗炎症作用があり、3か月程度の内服で約70%の方に効果がありますのでじっくり取り組むことが大切です。
慢性副鼻腔炎においても局所処置やネブライザー療法はやはり大切な治療です。

検査にはレントゲンや細菌検査、ファイバースコープ検査などをおこない精密に調べます。場合によっては提携病院にCTを依頼することもあります。アレルギー性鼻炎の合併例も少なくないのでアレルギーの血液検査を行うこともあります。

お薬の治療で治りが悪い方や重症例、高度な鼻茸を合併している方は手術が必要になることがあります。
私が金沢医大で副鼻腔炎の内視鏡手術を始めた平成6年ごろは内視鏡手術は限られた高度な施設でないと受けられず、いまだ一般的とはいえない手術でした。
その後、術式の改良が重ねられ、現在は内視鏡手術は標準的な方法となりました。それ以前に行われていた手術は歯茎の粘膜を切り開いて頬の骨を削って手術するという方法で、患者さんの負担も大きかったのですが、現在は手術時間、入院期間も短く、手術に伴う痛みや全身への負担もかなり軽減しています。
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鼻出血 はなぢ
鼻には左右の鼻を隔てる鼻中隔(びちゅうかく)があります。鼻中隔の前のほうにキーゼルバッハ部位という舌をかみそうな名前の場所があります。血管が網の目のようにはりめぐらされていて、鼻血の90%程度はここからの出血です。
お子さんの場合鼻炎にともなって出血しやすくなります。
鼻血→かさぶたが付く→触る→また鼻血 というサイクルで繰り返す鼻血もよく見られます。

鼻血が出たら、まず座らせてあげてください。そして軽く下を向かせてこばなをつまんで5〜10分間押さえる。これでだいたい止まります。
鼻の位置が心臓より高い位置にあるほど止血には有利ですが、上を向くと鼻血がのどに流れて咳をしたり嘔吐したりするので、のどに流れないように軽く下を向かせる程度にしてください。寝かせてはいけません。

まれですが、血が止まりにくくなる全身的な病気が隠れていることもありますのであまりに頻繁に出るようなら検査を行います。
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嗅覚障害 においがわからない
風邪をひいたあとに、ニオイが判らなくなることがあります。ステロイド点鼻薬などの治療で改善することが多くほとんどは一時的なものです。しかしときに完治しないこともあります。

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などで鼻の一番上にある嗅裂(きゅうれつ)というニオイのセンサーのある部分までニオイ物質が届かないことが原因になることがあります。原因疾患の治療を行います。
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赤ちゃんの鼻のこと
赤ちゃんがおっぱいに吸い付いたまま何十分も離さない。お母さんにはそんな経験はありませんか?試しにごっくんと唾を飲んでみてください。一瞬息が止まっているのが実感できるはずです。実は赤ちゃんは息を止めずにおっぱいが飲めるのです。それはのどの構造が大人とは違うからなのです。そのぶん赤ちゃんは鼻呼吸がメインで口呼吸は苦手です。鼻が詰まるだけで哺乳もしづらいし不機嫌にもなります。鼻の穴にこびりついた鼻水をとってあげるだけで哺乳がズムーズになったりよく昼寝ができるようになったり。そんな手助けもしています。
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