「耳鼻咽喉科 ジビインコウカ」。あまり見慣れないとても難しい漢字ですね。
耳鼻はみみ・はなのことかなとわかりますが、咽?喉?ってなんのこと?と思われる方は多いと思います。
簡単に言えば、咽頭(いんとう)は食べ物の通りみち。喉頭(こうとう)は空気の通りみちです。どちらも“のど“ですが役割は多少違います。
料理を口に運び味わい、鼻で息を吸って匂いを嗅ぎ、耳で言葉や音楽を聴き取る。そして家族や友人と交わすなにげなくて楽しい会話。それを皆さんは普段から特に意識せずに毎日毎日、今この瞬間も行っています。
耳鼻咽喉科は普段意識しないような人間の五感のうち三感(嗅覚、味覚、聴覚)に密接にかかわった病気を主に扱います。
その中には命にかかわる重大な病気(癌など)もあれば、命には関わらないけれども、その病気があることによって日常生活のQOL(quality of life:生活していく上での心地よさ)が損なわれる病気も多くあります。
アレルギー性鼻炎やちくのう症で鼻が詰まれば呼吸もしづらく頭も重くなって考えもまとまりません。
のどが痛くてご飯が食べられずつらい思いをすることもあります。
聞こえが悪くなり耳鳴りがすればコミュニケーションに不具合が生じ、人と会話するのがおっくうに感じられることもあるでしょう。
声が出ずに言いたいことが伝わらず、もどかしく思うことがあるかもしれません。そういったごく普通に起こる不具合に答えを出すのが耳鼻咽喉科の役割だと思います。
そして楽しいことがあれば笑い、悲しいことがあれば自然と涙がこぼれます。笑顔を見れば笑っている人だけでなく笑顔を見せられた人も楽しくなって、ひきこまれるように笑うこともあるでしょう。この顔の表情を表現するためには顔面神経という神経が関わっていますが、これも耳鼻咽喉科の取り扱う大切な部位なのです。
赤ちゃんからお年寄りまで、人間らしく生きるために。
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